扇子の歴史

日本で生まれた扇子

扇子のルーツと言われる、桧扇(ひおうぎ)が最初に作られたのは今から1200 年ほど前。
当時は紙がとても貴重であったため、細長い木の板に儀式次第などの覚書を書いたものを綴じて使ったのがそのおこり。

そして、平安時代中頃になると、数本の細い骨に紙を貼ったものが作られるようになり、
これが今日、一般に使われる扇子の原型と言われています。

当時はあおぐという実用的な役割だけでなく、
儀礼や贈答、また和歌を書いてお互いの意思疎通をはかったりといったことも行われ、
ある種、ステータスシンボル的な意味合いが加味され、貴族にとっての必需品となっていきます。
そして、さまざまな彩色や絵も施されるようになり、より華やかなものになっていくのです。

その後、武家社会の発展と共に、能楽や茶の湯などの芸能などにも用いられ、
一般に広く普及することになります。

また、同時に鎌倉時代には中国へと輸出され、それがさらにヨーロッパにも伝わり、
ルイ王朝時代のフランスでは、
扇をゆらめかす貴婦人たちの姿が社交界でよく見られるようになったとも。

そして、江戸時代の末になると、ヨーロッパに伝わった扇子が日本へと逆輸入され、
それが絹を貼った「絹扇」を生み出し、今度は再び日本から海外へと向けた輸出品になったりという経緯もあります。

扇子は、日本で生まれ、今も日本人になじみの深い道具ではありますが、
その発展の経緯はとても国際的。
これからも、いわゆる伝統工芸品の枠にとらわれることなく、新たな発展の可能性を秘めていることは間違いありません。